[不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向 … とは限らない
[高校]
□ [不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向 … とは限らない
※ [不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向 … と学校や塾などで教わっている場合があるようです。
ただ、この考え(基準)は、ある英文では、当てはまるものの、他の英文では当てはまらないことがあるので注意が必要です(確かな基準ではありません)。
既に「 [不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向 」と覚えてしまっている人は「全てには当てはまらない」という情報も追加しておいてください。
そうでないと、当てはまらない英文に出くわした時に「どうしてだろう」… と考えたり調べたり無駄な時間を費やしてしまう可能性があります。
実際に「[不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向と習ったのに、この英文は当てはまらない」とか
「[不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向なので、この文章はおかしくないですか」などと質問される人が多いのです。
この「 [不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向」というのは「[不定詞]と[動名詞]の使い方の全てに有効な判断基準ではない」ということは強調しておきます。
この基準に必要以上に振り回されないよう気をつけたいものです。
□ [不定詞]は未来志向、[動名詞詞]は過去志向 が示していることの説明
文章の中に[述語動詞]と、[不定詞]もしくは[動名詞]のどちらかがある場合
[述語動詞]と[不定詞]または[動名詞]の起こる順番を考えた時に、
・[不定詞] は[述語動詞]より後に起こる … 未来志向
・[動名詞] は[述語動詞]より前に起こる … 過去志向
つまり、[述語動詞]より前なら過去、後なら未来と考えているのです。
※ [述語動詞] とは、文章の主となる[動詞]のことを言っています。
・I remembered to lock the door.
忘れないでドアをロックした (覚えていて、そして鍵をした)
※ [述語動詞] rememberと [不定詞] の動詞 lock の順番は ①[述語動詞] remember ⇒ ②[不定詞] to lock
この文では、[述語動詞]より[不定詞] の方が後に起こるので、未来志向だと考えているのです。
・I remember
locking the door.
ドアをロックしたことを覚えている
※ [述語動詞] rememberと [動名詞] の動詞 lock の順番は ①[動名詞] locking ⇒ ②[述語動詞] remember
この文では、[述語動詞]より[動名詞] の方が前に起こるので、過去志向だと考えているのです。
■ [不定詞]は未来志向、[動名詞詞]は過去志向 ではない例
・I am happy to hear that.
そう聞いてうれしいです
※ [述語動詞] am と [不定詞] の動詞 hear の順番は ① [不定詞] hear (that) ⇒ ② [述語動詞] am (happy)
この文では、[述語動詞]より[不定詞] の方が前に起こるので、未来志向ではないのです。
※ 同じ言い方をするなら、この例では [不定詞]は過去志向となってしまいます。
※ [不定詞] の 副詞的用法 ⇒ コチラ
・I anticipated
getting a letter from my uncle.
おじさんから手紙が来ることは予測していた
※ [述語動詞] anticipated と [動名詞] の動詞 get の順番は ① [述語動詞] anticipated ⇒ ② [動名詞] getting (a letter) の順番になります。
この文では、[述語動詞]より[動名詞] の方が後に起こるので、過去志向ではないのです。
※ 同じ言い方をするなら、この例では [動名詞]は未来志向となってしまいます。
・Bob suggested
waiting.
ボブは待つことを提案した
※ [述語動詞] suggested と [動名詞] の動詞 wait の順番は ① [述語動詞] anticipated ⇒ ② [動名詞] waiting の順番になります。
この文では、[述語動詞]より[動名詞] の方が後に起こるので、過去志向ではないのです。
※ 同じ言い方をするなら、この例では [動名詞]は未来志向となってしまいます。
・I look forward to
seeing you soon.
すぐにお目にかかれることを楽しみにしております。
※ [述語動詞] look forward to と [動名詞] の動詞 see の順番は ① [述語動詞] look forward to ⇒ ② [動名詞] seeing の順番になります。
この文では、[述語動詞]より[動名詞] の方が後に起こるので、過去志向ではないのです。
※ 同じ言い方をするなら、この例では [動名詞]は未来志向となってしまいます。
□ 下記は、[不定詞]と[動名詞]両方取れる動詞の記事になります。
「こちらでも「[不定詞]は未来志向、[動名詞]は過去志向」」というのが有効な判断基準かどうか自分自身で確認してみるといいかもしれません。
● [動詞]+[不定詞] / [動詞]+[動名詞] の両方 OK な動詞 (意味ほぼ同じ) ⇒ コチラ
〇 [関連情報] [不定詞] の副詞的用法: to を and への置き換え ⇒ コチラ
〇 [関連情報] なぜ誤った情報を信じる人が減らないのでしょうか? (ご参考情報) ⇒ コチラ