冠詞 a / an / the [中学][高校]
▢ 冠詞 a / an / the ※ 順次情報を追加していきます
[はじめに]
a / an / the を冠詞と言います。冠詞を正しく使うことは、英文法の中で一番難しいものの一つです。
ただし、冠詞を間違えたり、付け忘れたりしたからといって、ほとんどの場合は大きな問題にはなりません。
難しくても重要なことであれば、優先順位を上げて時間を割いて覚えるべきだと思います。
ただし、冠詞を間違えてもほとんどの場合が大きな問題にならないのであれば、
他の重要な項目を優先して勉強したり覚えたりするのが良い方法と思えます。
英語には「冠詞の正しい使い方を覚えること」より優先して覚えるべきことがたくさんあるのです。
「冠詞は難しい」ように書いてしまいましたが、実は冠詞の使い方もいろいろあります。
比較的簡単に覚えられるものから、英語を何年も勉強していても迷うことがあるものまでさまざまです。
簡単に覚えられることは覚えていき、難しい使い方は、ある程度英語の実力が上がってから少しずつ使えるようになっていけば十分だと思います。
冠詞の勉強について重要なのは、一度に全てを覚えようとしないことです。簡単なことから少しずつ確実に覚えていけばいいことです。
日本人の中には、冠詞に対して必要以上に注意をしている人もいます。英語を学んでいる時は、そのような人と少し距離をおいて
冠詞の難しさと、間違えた場合の重要性を心にとめて冷静に冠詞と付き合いたいものです。
[高校] 基本的なルールは2つあります。
① どのモノのことを言っているかわかる時は名詞の前に the を付ける:
・I’ve been to the doctor. (医者に行って来たよ: 聞き手はどの医者か知っている)
・Have you feed the dogs? (犬にエサをあげてくれた: 聞き手はどの犬か知っている)
・Could you pass me the salt? (塩とってくださらない: どの塩か見えている)
※ 下の ②の場合も、同じモノを次に言う時は、どのモノのことを言っているかわかるので the を付けることになります。
これがよく聞く「最初に出てきた時は、a/an などで、次に the になる」理由です。
② どのモノのことを言っているかわからない時は、
〇 数えられる単数名詞の前には a/ an を付ける:
・There’s a rat in the kitchen. (台所にネズミがいる)
・I need an envelope. (封筒が一枚必要だ)
〇 複数形の名詞や数えられない名詞には a /an は付けない:
・She’s afraid of rats. (彼女はネズミが怖い)
・I need help. (助けが必要だ)
[中学][高校]
避けるべき4つの間違い … 難しいものも含まれています。最初は間違えても、少しずつ気をつけていけばいいです。
① a/an を複数形や数えられない名詞に使う:
・Tom collects stamps. [X: Tom collects a stamps.] (トムは切手を集めている)
・Our garden needs water. [X: Our garden needs a water.] (庭には水が必要だ)
② 一般的なものに the を付ける:
・ Elephants can swim very well. [X: The elephants can swim very well.] (像は上手に泳ぐことができる)
・ Petrol is expensive. [X: The petrol is expensive.] (ガソリンは高価だ)
③ my, this 等と一緒に冠詞を使う:
・my work [X
the my work] (私の仕事)
・this problem [X
the this problem] (この問題)
・a friend of mine [X a my friend] (私の友達の一人)
④ 数えらる単数名詞を冠詞など使わないで単独で使う ⇒ 数えられる名詞は、a/the/my 等を付けるか、複数形にする
[cat の例] a cat/ the cat/ my cat/ this cat (cat のみはNG)
・Give it to the cat. [X Give it to cat.]
・Annie is a doctor. [X Annie is doctor.]
▢ [中学][高校] 通常、スポーツには the をつけません。
・I like to play tennis.(テニスをするのが好きだ) [X play the tennis]
▢ [中学][高校] 楽器を演奏する時は楽器の前にthe をつける (楽器を購入する場合は別です)
・Tom plays the flute and his wife plays the koto.(トムはフルートを演奏し、妻は琴を演奏します) [X plays flute / plays koto]
▢ [中学][高校] エンタメ(entertainment) 関係
エンタメに関係する次の語には the を付けます。ただし TVにはthe を付けません : the radio ⇔ television/ TV (the はつけない)
・the radio (ラジオ)
・Did you listen to the radio last night? (昨夜ラジオを聞いた?) [X listen to radio]
・Don’t watch TV while you eat. (食事中にテレビを見てはいけません) [X watch the TV]
・I like watching quiz shows on TV. (私はテレビでクイズ番組を見るのが好きです) [X on the TV]
・the theater (劇場, 映画館)
・go to the theater (芝居を見にいく)
・the movie theater (映画館 … 特にアメリカ英語)
・Every weekend, they go to the movies. (週末ごとに映画に出かける)
・the cinema (映画館 … イギリス英語)
・Shall we go to the cinema or to the theater? (映画に行く,それとも芝居に行く?)
▢ [中学]「電車で」などと交通手段を言う時、 train などの [手段・方法] の前には、a / an / the などの[冠詞]は使いません。
※ 詳しくは [前置詞] by ⇒ コチラ
・by train「電車で」
・by bus「バスで」
・
▢ [中学][高校] 太陽のように世の中に一つしかないものには the を付ける
・ the sun (太陽) / the earth (地球) / the moon (月) / the world (世界) … これらは上の基本ルールの ① とも言えます。
※ [注意] 火星はなぜか the はつけない Mars です (末尾に s がついているから??)
※ 最上級も、この意味で一つしかないので the を付けると覚えてください (最上級は、限られた範囲で一つの場合が多いです)
▢ [中学][高校] 最初から the を付けて覚える単語
・
the same (同じ)… the が付かないものはまず無いと考えてください。
・
the Internet (インターネット)… the が付かないものはまず無いと考えてください。
※ Internet の最初の文字は大文字にしてください。
・get information on the Internet (インターネットで情報を手に入れる)
・
▢ [高校] the+苗字+s「~家(~夫妻/~きょうだい)」… 鈴木家であれば the Suzukis となります。
※ 日本のCMにも使われた黄色い顔が印象的なシンプソン家を舞台とするアメリカのTVアニメ
The Simpsons が思い浮かべば比較的簡単に覚えられると思います。
※ 「~家」などと言う意外、通常固有名詞には the を付けません。 [X the Tanaka]
▢ [高校]
the+[形容詞] ⇒ [形容詞]+people という意味です。置き換えも可能です。
・The young should be kind to the old. = Young people should be kind to old people. (若者は老人に対して親切であるべきだ)
・The poor are often generous to each other. (貧乏人はお互いに対して寛大であることが多い)
▢ [高校]「その他(残り全部)」と言う時は、the を付けて the other / the others と言います ⇔ the をつけない other / others は「残り全て」という意味にはなりません。
※ 日本語と同じで「他(ほか)」に「その」を付けて「その他(ほか)」とすると、「残り全部」という意味になります。
▢ [高校]「どうしたの?」という時に、What’s the matter? (the が必要) ⇔ What’s wrong? (wrong は [形容詞] なので冠詞は不要です)
▢ [高校]「寝る」などの決まった言い方の時は、冠詞は使いません。
・go to bed [寝る] / go to school [(生徒として)学校に通う] / at school [(生徒として)学校で] / after school「(生徒として)放課後」
・go to work [会社に行く/仕事に行く] / go to sea [航海に出る, 船乗りになる] / go to war [出征する]]
※ 保護者がPTAや授業参観などで学校に行く場合や、先生が教えるために学校に行く場合は go to the school と the を使います。
※ 他に、英国では「入院する」と言う時には go into hospital と the は使いません (米国では通常 the を付けます)
※「学校に通う」は the が不要で、「同じ」は the same。それでは、「同じ学校に通う」は the が必要でしょうか、不要でしょうか?
⇒ 答えは、the same school と the をつけます: We go to the same school. 「私たちは同じ学校に通っています」1⃣ U-06
▢ [中学][高校]「全」の意味を持つ二つの単語 all と whole: the の位置が異なるので意識・注意したいものです … all
the ▢▢ ⇔ the
whole ▢▢
※ all
the world「世界中(の人[物])」⇔ the
whole world「全世界」※ 下記のイラストは「ホールトマト (whole tomato) 」
▢ [高校][一般] いつも行っている(いつも利用している)郵便局や銀行などには the を付けます。
※ たとえ、聞き手がその郵便局や銀行を知らないと思っても、遠慮なく the をつけましょう。
※ the を使うことによって、聞き手は「相手(話し手)がいつも利用している▢▢なんだな」と知ることができます。
中学教科書(Here We Go! 1⃣)で、生徒のお母さんが学校を訪れた時に、娘に対して
Where is the cafeteria? と cafeteria に the をつけて言っています … 詳しくは ⇒ コチラ
▢ [高校][一般] enough timeという意味 で使われる the time … 詳しい説明は ⇒ コチラ
▢ [高校][一般] a が付いたりつかなかったりする time … 詳しい説明は ⇒ コチラ