「~に」「~へ」「~で」は含まれている?
▢「~に」「~へ」「~で」が含まれている単語
例: here / there / where / abroad [əbrɔːd] ③ L-07 / home など
▢ 説明
①「駅に行きなさい」という[命令文]を作ってみましょう。
Go the station. と言うと、go…「行く」、station…「駅」なので「駅行きなさい」 という意味になります。
意味はわかるので、何も言わないよりいいです。ただ「~に」「~へ」という言葉が 入っていないので不自然なヒビキです。
そこで、「~に」「~へ」に当たる単語 to を加え、Go to the station. にすると「駅に行きなさい」…と自然な英語に聞こえるようになります。
※ to は[前置詞(ぜんちし)]という仲間になります … 前置詞の詳しい説明 ⇒ コチラ
[前置詞]という用語はよく使う言葉なので、ぜひ覚えておきたいです。
※ ここでは the について何も説明しないで使っていますが、別途説明することにします ⇒ コチラ
② 上の説明で station は「駅」という意味で、その中に「~に」「~へ」という意味は含まれていません。
一方、英単語の中には「~に」「~へ」が含まれているものがあります。
たとえば、here「ここに/ここへ」 / there「そこに/そこへ」 / where「どこに/どこへ」 / abroad「海外に/海外へ」/ home「家に/家へ」などです。
「ここに来なさい」は英語では Come here. になります。
here の中に「~に」「~へ」という意味が含まれているからです。
Come to
here. と言うと「ここへへ来なさい」と「へ」が2回入り、不自然なヒビキになります。(Come to here. … 意外と言いがちな間違いです)
これらの単語には to にあたる「~に」「~へ」という意味が含まれていますが、「~から」にあたる from などの意味は入っていません。
⇒ 「その駅はここから遠くない」は The station is not far from here. となります。
※ to 以外の[前置詞]は必要となります。
● 他の例文 「(それを)家に持って帰ろう」は Let’s take it home. [① L-04] と to は不要。
「どこへ行ったの?」は Where
did you go? (where に to が含まれているので to は不要 … [NG] Where did you go to?)
「どの国に行ったの?」は What countries did you go to? (country に to は含まれていないので to が必要になります)
▢ 教科書の例
▢ Stay home. / Stay at home. について。
※Stay home. の記事 ⇒ コチラ
home の中には、「~に」「~へ」にあたる to と「~で」にあたる at が含まれていると考えれば 「おうちにいよう」は Stay home. となります。
home の中に「~で」に当たる at が含まれていないと考えれば「 おうちにいよう」は Stay at home. となります。
※「Stay at home. は主に英国で使われている」という情報を見かけることもありますが、英国でも Stay home. は使われます。
どちらを使うかはその時の状況によるように思えます。Stay safe. と一緒に使うのであれば、ヒビキの関係で Stay home. の方が好まれて使われるように思えます。
英語では(英語でも)、ヒビキというのが重要視されているように思えます ⇒ コチラ[準備中]
▢「~に」「~へ」が含まれるこれらの単語は[副詞]と呼ばれています
※[副詞]にはいろいろな種類があり、使い方もさまざまです … 詳しくは コチラ
ここで紹介している here などの単語を学校の授業や参考書などで[副詞]として説明することがあるため、[副詞]という扱いであることを紹介しておきます。
(実際、辞書で調べると[副詞]の記号がついています)
授業などで、これらの単語にういて[副詞]という説明があった時は、『「~に」「~へ」が含まれる単語 』と考えてください。
「here は副詞なので前置詞の to は不要だぞ」…というような文法用語をいくつも使った言い方はわかりずらいためこのホームページでは使わないようにしています。
●あくまで余談です:
悲しいことに、世の中には文法用語を多用して、私が読んでも何を言いたいのか よく理解できない説明をされる方もいらっしゃいます。
英語を勉強しているほとんどの人は 言語学者ではありません。文法用語の使用はなるべく少なくし、簡単な言い方で説明する方が多くの人にとってわかりやすいのではないかと考えています。
とは言っても、学校の授業や参考書などである程度の文法用語が使われている以上、何も説明しないで避けて通るわけにもいかないのが現実です。
文法や文法用語の中には勉強する人のために使われているというより、教えやすいから…というような理由で使われているのではないかと疑わざるを得ないものもあります。
文法用語を使うことが、教わる側が十分理解していることを前提に成り立っている場合、教わる側が説明を十分理解できていないことがあることには注意したいものです。
教わる側が十分理解していないと思われる場合は、初めて学んだことではなくても、最初に説明するような形になるのは必要なことだと思っています。
▢ 参考情報
つづりに関して 場所を表す単語 here / there / where にはすべて「here」 のつづりが含まれています。
「聞こえる」という意味の
hear と、場所を示す
here は[同音異義語(どうおんいぎご)] と呼ばれています (発音が同じで、つづりと意味の違う単語のことです)。。
同音異義語は、直接関係のない単語と単語をつなぎ、知っている単語の数を増やすのに有効なため、このブログでも時々紹介します。
「知っている単語数」を増やすには、いろいろな単語に多く触れることが 良い方法です。「聞こえる」の hear には耳を表す ear のつづりが 含まれています。
「聞こえるのヒアはどんなつづりだっけ」…というときに役に立つかもしれません。右と左の耳は近いので「近い」を表す near
にも「耳」を表す
ear が含まれています。
[同音異義語] ⇒ コチラ