[省略] I got to go. 「行かなきゃ」
[高校以上][日常会話]
▢ [省略] I got to go. 「行かなきゃ」
I got to go. (もう少し砕けた言い方が I gotta go.) 「行かなきゃ」という表現は、日常会話や映画の中でよく聞きます。
始めてこの文を聞いた時に、
「なぜgot to が must のような意味になるのか」
「なぜ get の 過去形 got が使われているのか」
「なぜ got なのに意味が過去形ではないのか」
…など、いろいろ疑問がわいてくるかと思います。
この1文だけであれば丸暗記して使うこともできますが、どうしてこういう表現をするのか理解していないと
よくわからないまま「もやもやした気持ち」を持ちながら使いつづけることも考えられます。
▢ 映画での使用例
2023年11月発売の Blu Ray・DVD「ミッション:インポッシブル デッドレコニング Part One」の中でも使われていました
・Grace, you gotta pull over. [開始から 57:56]
グレース! 車を寄せろ!
※ pull over「車をわきに寄せて止める」
※ これは、トム・クルーズ演じるイーサン・ハント がバイクに乗って並走する車を運転するグレースに言った言葉です。
▢ I got to go が「行かなきゃ」となる説明
「所有する」という 意味の have を日常会話では、しばしば have got と言います。
①have = have got (所有する)と書くことができます。
例文: I have a car. = I’ve got a car. 「自動車を持っています」
※ have を have got と言い換えられるのは have が「所有する」という意味の時だけです。
一方、[助動詞] must は have to と言い換えることができます。
※ [助動詞] must ⇒ コチラ
※ must と have to には使い分けがあります(別途説明)
① have = have got なので、
② must = have to = have got to と書くことができます。
例文: I have to go. = I’ve got to go. [行かなければなりません]
ここで I’ve の
've を省略した言い方が I got to go. となります。
I've got to go. ⇒ I got to go.
※ I’ve の「’ve」の部分は弱い発音のため場合によっては聞こえない場合があります。
日常会話で、「’ve」の部分が次第に省略されるようになったと考えられます。
※
I got to go. は、日常会話で使うことがあっても文章で使うことはありません。
※ I got to go. は、厳密に言うと文法的には正しくありません。
[ご参考]「文法的に正しくない」の補足説明です: 正しいかどうかは見かたによって変わってくる場合があります。
言語学者ではないため真偽のほどは不確かですが下記のように考えています。興味のある方はネットなどで調べるのも面白いと思います。
「’ve」を「省略」と考えれば文法的に正しいと思えます。See you! や Nice to meet you. と同じです。
これは日本語の「ら抜き言葉」に似ています。「ら抜き言葉」は文法的には間違いらしいのですが、2021年現在、日本人の半数以上が使用しています。
文法的に間違えていても、多くの人が使うことで「市民権」を得るようなことがあると思います。
下記に「ら抜き言葉」と、今回の「got to go」を比較してみました。よく似ている感じがします。
● [ら抜き言葉]
[正] 食べられる
[誤] 食べれる
● [got to]
[正] I've got to go.
[誤] I got to go.