通訳の難しさ [1] … 主語がない
[高校][一般]
□ 通訳の難しさ [1] … 主語がない
いろいろなところで書いていますが、日本語では [主語] を省略することが多いのです。
以前、技術的な内容を日本語で説明するので、その場で英語に訳すように依頼されたことがあります。
この時も、説明した人はいきなり [主語] なしで話してきました。
英語の文は通常 [主語] で始まります。
聞いた日本語に [主語] がないため、いきなり何も翻訳できない状態になってしまいました。
日本語で説明した人は「私が言うことを、そのまま英語にしてもらえばいいから」というのですが
自分で理解できないことは英語にしようがないのです。
通訳の難しさを痛感した経験です。
通訳を依頼する人には意識してもらいたいことがあります。
① できる限り [主語] や [目的語] を省略しないで日本語を話す。
※ 通訳に慣れていない人に依頼する場合は、特に注意が必要です。
② 多くのことを一度に言わないで、日本語を1文言い、英語に訳した後に、次の日本語を言うようにする。
※ これを注意しないと自分の言いたいことが英語で十分伝わらない可能性があります。
大谷翔平さんが、前の通訳の水谷一平さんの件で会見をしたときのことです。
大谷翔平さんは日本語で一度に多くのことを話したため、通訳の人がすべてのことを英語にしていなかったのです。
私には結構大切のように聞こえた内容のことが通訳されないで省略されてしまったように思えました。
日本語を1文言い、英語にしてもらえば、日本語を話したときに通訳が英語を話さないのは不自然なのでどうしても英語にせざるを得なくなります。
言いたいことはたくさんあったとしても、日本語で1文言い英語に訳してもらう作業を繰り返してもらうのがいいように思えます。