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通訳の難しさ [2] … vague

2024-05-06話題 (その他・英語に関係ないもの)

[高校][一般]
通訳の難しさ [2] … vague

日本時間4日(2024年04月)のジャイアンツ戦でドジャース移籍第1号を放った
大谷翔平選手(29)の記念のボールをめぐり、ボールを捕った人と球団側との間で騒動があったようです。
その後、その騒動について「大谷が嘘をついた」と一部メディアから報道が出たという話を聞きました
大谷がボールを捕った人と実際には会っていないのに「会った」と嘘を言ったというような内容でした。

大谷選手が、そのホームランボールを持ちながら会見をしているのをたまたまテレビで見ていました。
そのように嘘をついているようにとられたのは、その会見の中での言い方が問題だったように感じています。
会見のなかで、大谷選手は「ボールを捕られた方と会って話し、ボールを差し上げてもいいということだったので…」というような内容でした。
おそらく、大谷選手が言いたかったことは「(球団の方が) ボールを捕られた方と会って話して、『ボールを差し上げてもいい』ということだった」
言い換えれば、大谷選手は「ボールを捕った人は『ボールを差し上げてもいい』と球団の人から聞いた … を伝えているように思えました。

それが「大谷はうそをついた」のように解釈されたのは2つの理由があると思われます。
日本人によくあることなのですが、最初の問題は [主語] がないことです。おそらく、[主語] は「球団の方」だと思われます。
そして、別な問題は、次の ① と ② のような複数(2通り)の解釈ができる「あいまい」な言い方だったということです。
「ボールを捕られた方と会って話し、ボールを差し上げてもいいということだったので…」は次の2通りの解釈ができます。
①「私が、ボールを捕られた方と会って話して、ボールを差し上げてもいいということだった」という解釈です。
… こちらは ボールを捕った人と会い話を聞いたのは大谷選手で、大谷選手がボールを捕った人から聞いたことを伝えています
②「球団の方が、ボールを捕られた方と会って話して『ボールを差し上げてもいい』ということだった」という解釈です。
… こちらは ボールを捕った人と会い話を聞いたのは球団の人で、球団の人から聞いたことを大谷選手が会見で伝えています
このように、同じ会話を聞いても2通りの解釈ができ「大谷はうそをついている」という記事は ① という解釈をしています。
実際は、② のことを述べていても、[主語] を省略したことにより、大谷選手が言ったことが一層「あいまい」になってしまったと思われます。

大谷選手のように有名な人が日本語で会見をしたときに、通訳者が会見をしている人に聞き直したり、内容を確認したりしているのを見たことがあるでしょうか。
私は、通訳者が聞き直したり、内容を確認するような光景を見た記憶がないのです。
これを別な見方をすれば、会見の内容は「通訳の人がその場で解釈したこと」をそのまま通訳をしているのです。
これは、日本語であいまいな表現をした場合に、通訳は上記の例では [主語] を大谷選手のように言うこともあり得るのです。

□ インターネットで見つけた情報を追記しました (2024年05月06日)
下記の紫色の部分の記事をインターネットで見つけたので追記します。
日本語では「誰が何をした」の「誰」の部分を省略することが多くそれが不確かでも通訳は言った人にいちいち確認しないで自分が思ったように英訳することが時に問題になるように思えます。
こ大谷がホームラン直後の囲み取材で、「まあ戻って、ファンの人と話して、ハイ頂けるということだったので、ハイまあ僕にとってはすごく特別なボールなので、ありがたいなと」と
ローマンさんに直接会ったとも受け取れるような説明をして、ウィル・アイアトン通訳が「僕がファンの方と話して、ボールを返してもらうことができました」と
英語に訳したため、米メディアには混乱が起きた。大谷とローマンさんの発言の食い違いを受けて、「大谷は嘘つき」と批判したり、賭博疑惑と絡めたブラックジョークをSNSに書き込んだりする他球団のファンすら現れた。


vague [véiɡ]「表現が明確でない, 意味がはっきりしない, あやふやな」

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