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悲観するしかない未来 … こんな政府では

2024-06-29話題 (その他・英語に関係ないもの)

この記事は英語とは関係がありません正しい前提で読まないようお願いします
 
悲観するしかない未来 … こんな政府では
  現状を正しく認識し、改善しようとしない政府
 
  この記事は 2024年01月04日にNHKで放送された「2024年 私たちの選択 AIx専門家による 6つの未来」を元に書いています。
 この番組の中の出席者には経済再生担当大臣がいらしゃいました。
 大臣の発言内容をいろいろ聞き、この政府では日本の未来は悲観するしかないと感じました
 まず、大臣は出演者の質問に対して、質問に対する答えではなく一般的なことをはなしたり、誰でも言えるような抽象的な発言が多いのが気になりました。
 「賃金を上げる」ことと「出生率を上げる」ことに対しては、AIの分析や出演者の発言から、原因及び解決のために「賃金の低い非正規労働者を減らすこと」が上がっていましたが、
 大臣は非正規労働者問題については全く意見を述べませんでした。それどころか「非正規」という言葉さえ1回も使いませんでした
 この記事を書くために、番組を何回か繰り返して観ていますが、大臣の発言を聞くたびに、
 大臣は、特定のことについて語ることを避けようとしたり、論点をずらそうとしたりしている姿勢に本当に情けなくなりました
 他の出演者の斎藤 准教授や、櫻井綾乃さんの方がよっぽどまともな意見を言われ、何年後かにお二人の言っていたことの方が正しかったということになりそうに思えました。
 
 NHKの番組 「2024年 私たちの選択 AIx専門家による 6つの未来」の内容
  AIが膨大なデータを解析し、どの要素をどう変えると30年後の2054年には
  どのような未来になるかを6つのパターンに分類して紹介し、議論するという内容でした。
  番組は「日本社会をより豊かにするためのロードマップさあ、未来のための議論をはじめましょう」と始まりました。
  いくつかのテーマについて討論されましたが、
  この記事では「賃金を上げるには」と「出生率を上げるには」について書きます。
  ※ 出席者一覧は、この記事の最後の方に記載しています。
  茶色の文は、私の個人的な意見を書いていますご注意願います
 
 
 実質賃金を上げるには
  斎藤 准教授:
   この30年でコストカットのために賃金が低い非正規の拡大になった
   もっと別な方法があったのになぜ日本はしてこなかったのか (大臣に対しての質問)
 
  ●新藤大臣
   結果的にコストカットを望んだわけではなかったが経済が成長しなかったのが原因という趣旨の発言。
   斎藤 准教授の質問に対して、向き合った答えをしていない。論点をずらすような発言という印象。
 
  斎藤 准教授
   フランスの経済学者トマ・ピケティの提唱を紹介して、富裕層の資産(ストック)に課税し、
   大胆な再分配を行うことで格差対策・若者への経済支援を考えるべき
 
  ●新藤大臣
   コストカットを望んだわけではなかったが経済が成長しなかったのが原因という趣旨の発言。
   今働いている人がスキルアップをして賃金を上げる … ようなことを述べていました。
   非正規社員はスキルアップをしても賃金を上げることにはほとんどつながらないことをご存知ないようは発言でした
    スキルアップしたことで、派遣会社が賃金(時給)を上げるよう派遣元に対して交渉することは、私の所属する派遣会社の場合は皆無です
    そもそも、スキルアップをすることで賃金が上がることは AI の代表的な分析結果には入っていないのです。
    「データ活用」を述べている割には、データを無視するような発言。

 
 出生率を上げるには
  AIの分析で賃金を上げるために、次の二つの方法を提言していました。
   子育て支援 (保育士の数を増やす子供の学習費の自己負担を減らす)
   婚姻率を上げる非正規雇用を減らす相対的貧困率を下げる … 子供を産む以前、婚姻に至る以前の改善
   政府は「次元の異なる少子化対策」をうたった対策を挙げています
     ただ内容は上記の ① の「生まれた子供に対する援助のみ」の対策で、② の婚姻率を上げる対策は何も入っていないのです
   政府は、非正規雇用を減らそうとはしていないようです。また相対的貧困率を下げる対策も対策もないようです
     政府は、最低賃金を上げることはしてきましたが、それに連動して、最低賃金以上の賃金の人の所得は上がっていません

 
  ●櫻井綾乃さん
   結婚や出産以前の生きづらさに対して対策されていないことに言及
   非正規雇用から人生が始まってしまうと、結婚や出産が難しいというデータが出ていることも述べられています。

  ●柴田 悠 教授 (AIの分析に携わった京都大学教授 画像によるコメント)
   少子化の根本的原因は若者が雇用や働き方などの要因によって結婚や出産を諦めることにある
   フランスの経済学者トマ・ピケティの提唱を紹介して、富裕層の資産(ストック)に課税し、
   大胆な再分配を行うことで格差対策・若者への経済支援を考えるべき
 
  ●新藤大臣
   あそこにあるから、そこから取ればいいというのは簡単ではない (富裕層保護ありきと思える発言)
   将来に希望がないから、自分はもうこれでいいや、自分が今度高齢者になり社会から世話をしてもらう時に、
   その世話をしてもらう土台を作らないことになる。
   客観的にどういう役割で社会保障が成り立っているかきちんとみんなで分かるようにしていかなければならない。
   今の技術を使いデータを活用してみんなの意識を変え少子化問題を乗り越えるべき。
    経済的困窮者は、今日・明日の生活で精いっぱいなのに、自分が高齢者になった時の社会保障まで考えられないのが現実
    今の技術(AI)を使って分析した結果の一つが「婚姻率を上げる」と言っているのに、議論を一般論ですり替えているような発言
    みんなの意識を変える前に、大臣や政府の意識を変える必要があるのではないでしょうか

 
  ●斎藤 准教授
   与党の税制調査会は年配の男性議員が中心として税の仕組みを決めていくとなったら
   若者や女性の気持ちや一人親世帯の意見が反映されにくい構造になってしまっている
 
  ●新藤大臣
   今度税調に来てください (柴田 悠教授にメンバーになって欲しいという冗談)
   いろんな声を聞くというのが重要。最初からネガティブに無理と言ってても何も始まらない。
   チャンスを掴むためにどうしたらいいかという努力は必要。
   斎藤 准教授の意見には何も答えていない発言。政治家らしい「抽象的な一般論」で議論をまとめ上げようとしている姿勢にしか見えない
 
出席者一覧
 ・斎藤幸平さん (東京大学大学院 准教授)
   経済的には裕福な層に属すると思われますが、あくまでも学問という立場で公平に意見を述べられていると感じました
 ・福原真弓さん (サッポロ不動産開発・取締役専務執行役員)
   大企業の立場から意見を述べられている印象でした。意見の中で「働く人」は社員のことで、非正規社員はその中に含まれていない印象を受けました
 ・櫻井綾乃さん (GENCOURAGE代表・「こども未来戦略会議」メンバー)
   二十代のフリーランス。経済的に恵まれない若者に一番近い存在の出席者に思われます
 ・新藤義孝さん (経済再生担当大臣)
 ・鈴木 奈穂子さん (今回進行を務められたNHKアナウンサー)